赤川準一「These Songs Take Time」

友人が通うSFCの先輩という話の赤川準一さん。ipodの表記では赤川隼一になっているし、どっちを検索してもあんまり情報見つからないし、本人のサイトらしきものを発見しても残念ながらforbidden。そんなわけであるから、僕にとってはかなり謎めいた存在。だからジャケットもどんなのか、あるのかさえもしらない。けれども、僕はあなたの唄がどこからともなく聴こえてくる日を夢見てる。


少しかったるそうで、それでも優しさが伝わってくるような声に、このギターの音は卑怯なほど心に染みる。シンプルだとか複雑だとか、そんなことは音楽にはどうでもいいんじゃないかって思えた。②「春の道標」の「スカートの中に吹く風」に僕もドキドキが止まらなかったし、③「そしらない」の時にはダイナソーJrばりの轟音で展開するギターには鳥肌がたった。⑦「Wordrop」や⑩「Afterhours」の芯のある歌声もすごいと思った。


きっと僕は今までどこかで観たような景色を現したような世界観がとっても好きなんだと思う。最近は「好き」なんて言葉は、結果の後付けという感じがしてしまって、音楽にしても聴いて気に入ったから好きになったというのは、実は好きになるために聴いたのではないかと疑ってしまうことがある。そうやって、僕自身の感情を裏返したくなるというか、断言だとか100%だとか、そうしたことはやっぱり怖いなって本当に思う。それでも、音を聴いて鳥肌がたったとか、うるっと来たとかそういう瞬間の感動っていうものは決して、嘘ではないと僕は思うし、そうした瞬間に出会い続けたいと思うから、断言しきれなくても、好きと言いたいのかもしれない。