Jim O'Rourke「Eureka」




ジムオルークの1999年のアルバム。時期的に「Bsd Timing」の次のアルバムかな。ジャケットは友沢ミミヨ。とってもいい味を出してます。前回の作品はカントリー〜フォークな感じのサウンド?に電子音混ぜたりとかして緩急もあって大味な曲が多かった印象なんだけれども、このアルバムは非常に繊細に仕上がっていえると思う。どこか傷をつけてしまったら、本当に壊れてしまいそうな気がしてしまうよ。優しいギターに触れられるアルバム。


路線はそこまで前回とは大きくは変わらない。立体的な空間の広がりを持ちつつ、よりシンプルにギターで音を作り出し、シンプルにコーラスなども合わせて歌う。途中の曲では、吹奏楽器の雄大な音が響き渡る。④「through the night story」の途中のトランペットかなんかの響きは本当に夜の帰り道に聴くと泣いてしまう非常にエモーショナルに響いてくる名曲だと思う。⑤「Please Pateonze Our Sponsors」なんかは三分ちょいぐらいの曲で、途中で展開がダイナミックに変わるのだけれども、そこらへんのスムーズ過ぎる移行なんかも本当に聴いてて素晴らしいんじゃないかな。⑦「Eureka」はやっぱり映画をどうしても思い出しちゃって、頭の中に宮崎あおい役所広司なんかのシーンを思い出すたびに泣きそうになってしまう。海岸でのシーンと最後のシーンを思い出したら、もう一度観たいって思ってきたけれども、三時間近く耐えなければいけないと思うとやっぱりやめておこうと思った。


ジムオルークは歌っても、ギターのような繊細な声を出すなあ、ってのと⑨「Little Island Walking」のようにギターだけの音楽でも、なんか弾き方に特徴あるのか非常に魅力的だなあと思った。こういう優しいと思う音楽に触れていて僕は本当に喜ばしい。