フルカワミキ「Mirrors」




Supercar、ベースのフルカワミキの1stアルバム。あらかじめ言っておくと、実は僕はあんまりSupercarをちゃんと聴いてない。二枚ぐらいなんとなく借りたデータ自体はPCに入っているんだけれども、いつもどうしてか2・3曲いくと、あーもういっか、なんかな、とりあえず別のアルバムに、ってな感じの衝動が起きてしまって聴けなかった。ipodとかituneとか、曲が一気に詰め込めるようになった分、無理矢理耳に音を押し込めようとする習慣はどこか消えてしまったような気がする。それでも時たま、嫌な音楽をものすごく押し込まなくちゃいけないような衝動にも駆られて、それを実行してしまう僕はマゾとか、そういう変態の類に入ってしまうのだろうか。僕は決して自分は○○だ!と断言できないから、グダグダと文章を書くしかないのだけれども。で、結局このCDを聴くきっかけになったのは姉が偶然知り合いから入手してきたから。姉は聴かないみたいなんで僕の部屋にこのCDが置かれてたのでせっかくだから・・・・というわけ。


エンジニアに益子樹supercarとかrovoとか最近はart-schoolも・・・)を迎えてるだけあって、バックの電子音が綺麗な感じに仕上がってる。フルカワミキの声は、決して高らかに響くわけではないのだけれども、地を這って足から頭に向かって絡みつくような、そんな声。囁くように歌えば、どこかダークな感じが伝わってくるし、⑥「Coffee & SingingGirl!!!」のような歌い方をすれば楽しいダンスナンバーにもなる。どの曲もポップに仕上がってて非常に聴きやすいのではないかと思う。歌詞を七尾旅人が書いた②「世界のささやき」なんかは彼女の声が非常に生きた曲だと思うし、④「I♡U」はボーカルがほとんどなくて、綺麗な世界の中で「I Love you honey」などの声が少し響くだけなんだろうけれども、この曲がこのアルバムの中で一番美しくて、綺麗で僕は感動してしまった。⑩「Chick, Shick Radio」の迫り来る攻撃的な感じもすごい好きだなあ。最後の二曲は実際少しどうでもよくなってたまにとばしてしまうのだけれども、それでも聴きたくなる要素がこのアルバムにはあるんだろう。


ベースやってる女の子、っていうのは物凄く響きがよいね。最近、娘を可愛いという父親は気持ち悪くない一方で、息子を可愛いという母親は気持ち悪いね、なんて話が出たのだけれども、そういう響きっていうのはどこで作られるのかとても不思議に思った。まあそんなことはどうでもいいけれども、声を実際聴いて見たいんで機会があったらそのうちでも。なんとなく僕のヘッドホンとは相性が良くって嬉しいアルバム。