内橋和久「Rhythm」




時にはギターを弾き、時には曲のアレンジをし、時には劇団の音楽を作り、時にはダクソフォンの日本唯一の演奏者(この前の二階堂さんのライブの時の不思議な楽器がまさにそれだった!)として知られる内橋和久。そんな彼が手がけた『劇団・維新派』の音楽を自分で集めてCDとしたのがこの作品。


劇団音楽ってのから考えるにおそらくインストだと思ってたんだけれども、なんとも言いづらいゆるさと浮遊感を持った作品に仕上がってる。基本的に和やかで、全然音楽としてうるさく感じないし、だからといって次の楽曲の展開が全く読めるわけでもないし、本当に不思議な感じ。実際何をどう考えて音楽作ってるのか全く予想なんてつかないし、奇才っていうか変態っていうかそんな感じのセンス剥き出しのアルバムだと思う。


聴いてて音楽を聴いてる感じがしないくらい自然に耳を通り過ぎてって、それがどうしても不思議で仕方ないアルバムなんだけれども、なんかふと寂しさを感じた時に耳に置いておきたい、ぬいぐるみのようなアルバムとでも言ってしまおうか・・・・こういう空間音楽があってもいいと思った。