朝日美穂「THRILL MARCH」




朝日美穂の2ndアルバム。1999年の作品。彼女を知ったのは、「ミホミホマコト」からであってそういう意味では、彼女に感謝すると共に大好きな川本真琴さんに感謝しなければならないと心から思う。音楽はきっと自分の情報の範囲内で、適当に聴きこんでいればそれなりに好きになるものだと最近はよく思うんで、でもだからといって音楽を聴くことにに全く意味がないとかじゃなくて、そうした「出会い」自体が偶然だけどなんか嬉しくって僕はそういうのに勝手に感動しちゃって音楽を聴いちゃうんだと思う。ジョジョ荒木飛呂彦が「引力すなわちラブ」って六部のジャンプの連載の最終回に書いていたけれども、引力とか出会いとか導きっていうのは本当に人生において感動を呼ぶものだと思う。


最近は、このアルバムが大好きで大好きで、とりあえず迷ったらこれを聴いておこうってくらい聴いてた。朝日美穂の声は「囁くような美声」であって、人工的な香りを全く感じさせないのが僕が好きになった最大の理由なのかもしれない。周りの音とともに、ある曲はまるで野原や森でうずめく風のように、ある曲はまるで大きく開いた美しい花の中にいるように、僕の頭から指先までをほわほわっと優しく包み込んでくれる。楽曲のバリエーションも非常に豊かで、一曲一曲の出来は単純なジャンルに収まるような単調なものなんかではなくて、非常にそんなところも魅力的なのではないかと思う。


無限の世界の広がりは地球を包むくらいの勢いがある。とでも言ってしまおうかね。このアルバムを聴いてると、本当に優くて寛大な気持ちになれる気がする、素晴らしくって大好きなアルバム。