二階堂和美『うたのイワトlive@神楽坂』

10分で売り切れたと場所のブログには書いてあったのに何故か一時間半後ぐらいに連絡した僕がチケットを取れていたので行ってきました二階堂和美@いわとシアター・神楽坂。中央線の周りは後楽園と東京ドームと日本武道館ぐらいしかないと思ってたけれども、神楽坂は毘沙門天があるし、何より微妙なカーブに沿って立ち並ぶ商店街というか飲食街がやけに綺麗に感じた。坂の下から見える景色は、そのまま空へと突き抜けるようだったので人ごみの中を駆け抜け行ったら僕は胸の鼓動が止まらなくなって脈拍がやばいことになってしまうと思うけれども、そうせずにはいられない雰囲気だった。


いわとシアターは扇形に広がるような劇場だった。130名ぐらいの収納人数か。ライブハウスと違って座ってみるのがいい、何より煙草という悪魔の息をばらまくものどもが、この箱の中では縮こまってくれるのが僕には最高である。内橋和久さんがゲストということで、変態なギターでどこまで刺激をくれるのだろうと期待していたが、結構サポート的な役割が多くてもう少し前に出て欲しかった。変な弾く楽器は非常に面白かったけれども。


こんなことを感想に思うのは、二階堂さんのライブにここ数ヶ月で四回も行ってしまったことに起因するのではないかと思うと少し悲しくなる。どこかで脱感作が起こってしまったのか。はてさて、これは友人の、ある程度期間は置いた方がいいという言葉を身をもって僕が感じたことになるのか、それともそう言われていたから僕の今日感じた感覚をただそう解釈してしまったのか、そこんところの違いはかなり重要なのではないかと思う。結局のところ、どちらでもありどちらでもないというしかないのだけれども。そして、それが正解でもあり、間違えでもあるのだろう。


それでももちろん心に響いたことは変わりはないのだけれども。亭主関白やら愛の賛歌やら聴けたし、アンコールでの内橋さんとの絡みは序盤の違和感を全く感じさせなかったよ。二階堂さんの空間を『ほにゃ』っとさせる能力は本当に天性だと思う。ライブでのおっきな驚きは二つあって、一つは『キーを少し変えてみました』って言っていた『Lovers Rock』が音として違和感ありまくりだったことと、もう一つは一番震えて泣けたのが『テラナワゲシ』だったことである。やっぱり、言葉でも、楽器でも、何でも聴覚を最大限に活かして脳内刺激するのは最高に気持ちいいな。安心、安心とクロもシロも言うに違いない。


如何せん、ライブでこんな評論家気取りをすること自体がどこか馴れを僕自身感じていることの証拠なんではないかと思うとどこかちょっと自己嫌悪を感じてしまう。そんな事を人生で繰り返していて、それがわかっていても、それでも僕は何も止める事はできずに繰り返すこと気がしてならないのだけれども。とにかく今日は安心しておやすみと言いたいということと、渋谷TSUTAYAが半額最終日だったものだから、借りるまでの待ち時間が長くて待ち合わせに30分ぐらい遅刻してしまったことを心から謝りたいということである。