博士の異常な愛情〜または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか




スタンリー・キューブリック監督。米ソ冷戦を描いたユーモア。狂ったアメリカ司令官がソ連核基地への攻撃を命令。しかし、ソ連には`皆殺し装置´と呼ばれる攻撃を受けたら全人類を絶滅させるものが存在した。なんとか和平の方向へ進むが、一機の飛行機が連絡を途絶えたまま相手の陣地に突っ込んで核爆発、つまりは装置がさらに発動してちゅどーんちゅどーん。というお話です。


何も知らずに見たけれどもピーター・セラーズは二役しか見抜けなかった。飛行機なんか、今の時代じゃ全く考えられないくらい簡素な撮影だし、ペンタゴンに入るまでは中々退屈だった。タージドソン将軍が滑稽な発言をするうちに、この映画が少しずつギャグ映画な感じがしてきて、ドイツ人のストレンジラブ博士の奇妙な発言・行動に冷や汗をかいていたらコング大佐?が核爆弾(名前もふざけたものだったが)とともに痛快に落ちていってこれはそういう映画なのだと終盤になって感じた。(それまでのシーンはどこか苦笑い的要素が自分の中では大きかったように思う。)そんでもって、最後のストレンジラブ『総統!歩けます!』とともに全世界がふっとぶシーン+『また会いましょう〜』の音楽シーンは最高に気持ちが良かった。


ここまで痛快に威力があって吹っ飛んだら、僕自身『死ぬ』ってことを何も考えずに人生が光のように消えていったように感じるのだろうか・・・。