ニライカナイからの手紙




熊澤尚人監督。舞台は沖縄の竹富島。母親(南果歩)と六歳の時に別れた風希(蒼井優)は、それ以降は毎年誕生日に送られる手紙が唯一の母親とのつながりだった。祖父と二人で暮らす風希はカメラマンに憧れ、18歳になり、また手紙が届き、東京へ写真家を夢見て旅立つこととなる。そして、東京で多忙に暮らす中、19歳となった風希のとこに手紙が届き・・・来年弁天橋での母親との再会を胸に、カメラを一生懸命頑張るが、そこにはある結末が待っていた。


他のヒトのレビューを見てると、結構予想できたってヒトが多いみたいだけれども、僕は全然気づかなかった。どういうわけか、鈍かった僕なものだから感動することにおいては結構得をしたのかもしれない。それにしても、沖縄と東京、言うならば自然と都会が短時間で映像として頭の中にはいってくるのは、人間として足りないものが補われた様で非常に元気が出た。比較的都会暮らし的なな僕にとって、風希の住む東京の部屋の暗さは肥溜めのような悪臭を感じさせた。僕は養老猛が『バカの壁』で言ってた田舎と都会の参勤交代を馬鹿にしていたけれど、全然そんなことなくていいもんだなあ。とにかく沖縄はやっぱり綺麗。行きたいよ、沖縄!


最近蒼井優の映画を見すぎと言われてしまったが、切なくて自然体な演技もマッチして後半は涙をそそる。でも、一時間半ぐらいでもう胸に来て感動してしまって、最後の25分くらいはどこか少しダラダラっと感じてしまった。これは姉弟共通の感想だったので、もっと一人暮らしとかして、母親の有難味を知っていればそんなことを感じることはないのだろうと思った。いずれにしても、人間・自然を含めた世界の優しさを感じさせてくれて、心が暖まった映画でした。