花とアリス




岩井俊二監督。花(鈴木杏)が落語部の先輩(郭智博)を好きになってしまい、ひょんなことから記憶喪失として付き合い始める。さらに花の親友のアリス(蒼井優)を含めた三人の心の細やかな動きを表現した映画。物語上では単なる青春ものだけれども、映像と音楽に自然と引き込まれた。


やはり、この映画での一番のシーンはアリスのバレエ(雨の中と最後のシーン)と言いたいところだけれども、花がカメラに顔近すぎだよ!!!!ってくらい近くてリアルに顔をくっしゃくっしゃにしながら泣いて、嘘をついたことを告白するシーンも強烈に良かった。家があんなに綺麗に花だらけで、名前も花、そんな彼女の「泥臭さ」がとっても心に響いて泣けました。海岸にトランプが舞うシーン、桜の木などなどもやはりとても綺麗だった。


それにしても、蒼井優の透明感、不思議な魅力。この映画はやっぱり彼女の存在感があまりにも大き過ぎた。好き嫌いに関わらず、知らずに眼がいってしまうはず。デートシーンなんかは、当然といえば当然だが、テレビの恋するハニカミ!なんかより全然頬が弛んで、むず痒くなってしまい僕は罪悪感を覚えざる得なかった。あのトランプと、中国語のシーンは本当にやり過ぎだろってくらいの演出だけれども、実際ドキドキッとしちゃいました。ごめんなさい。