ゆらゆら帝国「Sweet Spot」




ゆらゆら帝国の6thアルバム。姉がフジロックゆら帝を見て狂喜していたという話を彼女自身から聞いたもので、それを聞いていたら聞きたくなってしまった。ゆら帝といったら、僕の中では前作の「めまい」と「しびれ」があまりにも衝撃的だったために買ってこれを聴いた時には中々馴染めなかった。衝撃を受けると他の作品がややどうでもいい傾向にあるのは、きっと僕には限らないと思っているのだがそれは間違っている可能性も著しく高いと言える傾向にあればいいなと思う。如何せん、ボアダムスとの野音ライブを逃したのはあまりにも痛かった。


①「2005年世界旅行」から奇妙な世界旅行。まさしくそれは、ジョジョの世界を髣髴とさせるような奇妙さ。渦巻く中を流れている感じて、船酔いのような感覚を得て少し吐き気がした。②「ザ・コミュニケーション」何かコミュニケーションの不全さを感じる。友人の尖端失敗話をふと思い出してしまった。③「ロボットでした」ヘビのように絡みつく音。任天堂のなんかのゲームで最後にロボットに改造されるシーンを思い出した。④「急所」という題名だけあって非常にアグレッシブな音楽、全身の急所を突かれて僕はたじろぐ。⑤「タコ物語」なにこの気持ち悪さ、最高だぜ!⑥「はて人間は?」⑦「貫通前」はギターリフが中々癖になるキレのある作品。⑧「スイートスポット」は「ゆらゆら帝国のめまい」を髣髴とさせるバラード。⑨「ソフトに死んでいる」は太鼓とカスタネットみたいな気持ち悪いリズム隊に歪んだギターで身体がヘロヘロに。⑩「宇宙人の引越し」は気持ち悪いんだけれど、何か感動を覚えた。


斬新さという意味ではなんとなく寂しいのだけれども、しばらくたってから聴いたら非常に気持ち悪い作品だった。異次元世界というか歪んだ世界というか、これがいわゆる「サイケデリック」という感覚であると僕は信じることにした。おっと、とにかくもちろん褒めているのですよ!