Pavement「Terror Twilight」




Pavementの5thアルバムにして、最終アルバム。初期の壊れかけて安っぽいいわゆる「ローファイ」と呼ばれるものを確立したと言われる彼らだけれども、前作の「BRIGHTEN THE CORNERS」からは、聞かせるロック的なものへと徐々に変化をし、全く別の形の集大成となったのがこのアルバムなんじゃないだろうか?壊れた感じよりも、ヨレヨレ・ヘナヘナとした漂う感じに近いメロディーセンスを作り出したスティーブン・マルクマスは本当に天才なんじゃないだろうか!プロデューサーは、ナイジェル・ゴドリッチでかの有名なradiohead「OKコンピューター」も彼の手によるもの。ソングライティングとプロデューサー、どちらが欠けてもできなかった素晴らしい作品じゃないか。


①「Spit on a Stranger」から、いきなり実にメランコリックな心に染みるメロディー全開で、もう泣きそうになって仕方がない。初期から彼らを聴き始めた自分にとっては最初は違和感ありまくりだったけれども、こんなに聴かせてくれるとは!⑦「Ann Don't Cry」なんか、つらくてとてつもなく苦しい時に「泣くな、泣くな」なんて慰められると逆に泣くことってよくあるよね?つらい時に聴くとそんな気分になって泣いちゃうよ。⑧「Billie」のサビにたどり着くと、何故か得る達成感、そしてそのハイテンションがずっと続けばいい。⑪「Carrot Rope」はホントに最後、最後の最後にふさわしい名曲。


そして、彼らは2000年に解散。あー勿体無い!この作品が好きな人は、ちょっと変わるけれどもソロのStephen MalkmusStephen Malkmus」も一緒にぜひ。そういえば、ジャケットが、PCがそこまで普及してなかった頃の点画スケッチみたいな気がした。そんなところも含めて愛すべき作品。