山本精一「EVE」




山本精一のソロの何枚目かのアルバム。ジャケットは、裏面に綺麗な花、表面には何やら葉っぱの中央に『目』があるみたいで、それは僕を睨み付けて果てしない空間へと引き摺りこもうとしている気がしてならず、吸い寄せられてしまう。


『僕の脳内宇宙をそのまま音にしたかんじです。何かにインスパイアされたり、下書きにしたものではないです。自分が考えるリズムというかグルーヴを脳からダイレクトにアウトプットしたもの。グルーヴとして成り立つギリギリのところ。』
山本精一談)


とのことであって、グルーヴ・・・うーん、グルーヴ。『電気グルーヴ』を『電気グループ』と勘違いしている人なんかもいるんじゃないか・・・これ、知った人がいたら非常にショックだと思うけれども彼らにとっては正しく読んでもらいたいはずだよ。そういえば彼らの「Shangri-La」がヒットした時、僕は彼らのアルバムを借りて、全然意味不明な音楽ばっかりで眩暈や吐き気を覚えたのだけが心に残っている。今聴いたら僕は彼らを受け入れられるだろうか。話がそれてしまったが、名前とそアイデンティティーはどうしても切って切れるものじゃない、名前や曲名の呼び方を僕なんかは結構ついfuzzyにしてしまうけれども、それをある友人は大切にしているように思い、僕はその重大性を感じてしまう。名前・・・・identity・・・・固有概念・・・・解釈・・・・感じ方や感じるもの・・・・様々な出来事の言葉や起こりを抱合する音楽とこのアルバムのことを言おうか。rovoボアダムスに見られる空間の広がりをさらに自由に彼なりに表現したのがまさにこのアルバムなんではないかと思う。


とまあ、無限にすごいチックを少し表現したかったように思うのだけれど、実際は似たような音が結構繰り返されて、とてつもなく退屈な状態に陥って途中で聴くのをやめるのが八割方なのだが。とにかく、空間音楽としての居心地や、これを聴きながら座禅でも組んだら(正常な心が生まれるかは別として)どっかに飛んでいけるような気がするのでそのうち試してみようかと思う。