小島麻由美「セシルのブルース」




小島麻由美の1stアルバム。最初に聴いた時に僕が知っている小島麻由美よりも、やけに若々しくてキャピキャピとはっちゃていて元気な感じを受けたと思ったらデビューアルバムだったみたい。インパクトは「愛のポルターガイスト」を聴いた時に負けず劣らずって感じ・・・・・つまりは衝撃的だったわけですよ!


ブルースの中でおもちゃがピコピコ踊っているような不思議な雰囲気を醸し出す、完全に彼女の世界が構築されて素晴らしいポップワールド!僕はひたすら、①「おしゃべり!おしゃべり!」のボコボコ叩かれたドラムから彼女の叫び声が聴こえるとこりや、②「セシルのブルース」の魔女のようなバイオリン?メロディー、④「恋の極楽特急」のまさに特急列車に乗り込んだように流れるサビの部分、⑦「蜂蜜」の怪しげなフルート、⑧「結婚相談所」のヘンテコ口笛、⑩「皆殺しのブルース」の残酷で最後に突き落とされる感じがとてつもなく気に入ってしまったもので、そういう理由でこのアルバムをたくさん聴いてしまった。


さらにこれだけの世界が、たった30分間で展開されるというのは非常に新鮮で、こんな気持ちになったのは、pixiesを始めて聴いた時以来かもしれない。僕は今日明日にでも他のどっかの誰かの何かのアルバムを聴いたときにはきっと間違いなく「短くて物足りない」なんて発言を、それはそれは恐ろしいほど容易に、蜂の巣の穴の数以上に連呼することはあるのだろうけれども、これは「短いっていいな」そう純粋に思わせて十二分に満足させてくれるアルバムなのである。