サニーデイ・サービス「若者たち」




愛すべきサニーデイ・サービスの1stアルバム。1995年発表。やっとこさ、新宿にてツタヤの会員になる決意が出来て、入会してレンタル。地元じゃ置いてないのよね。新宿や渋谷のツタヤだと、駅から歩いてかなくちゃでそれが面倒くさいよね、都会の街はうるさくて音楽聴くのにもいいことなんか全然ないのにさー。


一曲目の「いつもだれかに」のイントロ:キーボード+ギターから、あーなんかこのバンドはちょっと違うと思わせる。アルバム全体としては2nd「東京」に近い、柔らかなメロディーが印象的。それにしても、このアルバムは口ずさみたくなるメロディー・フレーズがとてつもなく多い。②「素敵じゃないか」の『あ〜素敵じゃないか〜』とか『あ〜あ〜いい気分さ〜』、③「ご機嫌いかが」の『擦り切れてしまったジーンズはつまらなそうな僕らのよう〜そして突然笑い出し〜ご機嫌いかがなんて〜あ〜』、④「やけっぱち天使」のグダグダな歌い方→⑤「田園風景」への絶妙なつなぎ、⑥「街へ出ようよ」のがやがやざわめきとギターメロディーの輝き・・・・挙げればキリがないかもしれない。いや、キリがないよ。


「素敵じゃないか」「ご機嫌いかが」なんてのも、凄まじく心に響く名曲なのだけれども、このアルバムで一番じんと来てしまう曲は最後の⑩「若者たち」だ。哀愁ただようメロディーに


『僕らはと言えば、通りを眺めていた。陽だまりに座り、若さを弄びずっと泣いていた・・・


彼女はと言えば、遠くを眺めていた。ベンチに腰掛け、若さを弄びずっと泣いていた・・・』


なんて歌詞が、20歳でいわゆる青春が終わろうとしていると言われる僕にもとてつもなく響いてくる素晴らしい曲。


ヘナヘナした演奏によって作られたアルバムを通して存在している、太陽のような明るさ・暖かさ。このアルバムで、彼らが「サニーデイ・サービス」であることを恥ずかしながらも確信してしまった。愛すべき青春アルバムだなー。そしてそして、成長・加齢を加えて行くとともに名作でもあり迷作アルバム「24時」を彼らが完成させたということが、このアルバムを聴いたことで何故か納得できたのは僕だけだろうか。僕の青春はまだ終わりを告げることはない。