Mercury Rev「Deserters Songs」




Mercury Revの4thアルバム。この音楽は世間様では「サイケデリック」と称される。サイケデリックは辞書によると「LSDなどの幻覚剤によって生じる幻覚や陶酔状態を想起させるさま。」だそうだ。そうすると、サイケデリックなんて口に出しているやつらはみんな幻覚剤をやったことあるってことか、なんていう下らないことを考えつつも、確かに「サイケデリック」といわれると、このCDはやけに納得してしまうのである。


メロディーはひたすら超美音。いきなり①〜③までは、もうどこか別世界にいるかのような雰囲気を漂わせ、美音がさらに様々にへろへろと変化してしまうものだから、その心地よさに酔ってしまう。まさにメルヘンの世界でのオーケストラのようだ。それでもってなんか暗さを感じてしまうもので、聴いたら最後、ひたすらこの世界に飲み込まれてしまうのみである。トロンボーン?のメロディーが印象的な⑥「Hudson Line」・盛り上がりが感動を呼ぶフィナーレにふさわしい⑪「Delta Sun Bottleneck Stomp」のような曲まであるのだから、あまりにも充実している。


綺麗な世界を想像し、いたずらに世その界を自分でいじって満たすような快感に浸れるのではないだろうか。心に響く名盤であることは間違いない。