La’Cryma Christi「Magic Theatre」




La’Cryma Christiの3rdアルバム。いやーヴィジュアル系っていう響きだけでなんとなくナルシズムを感じちゃって遠ざける人も多いんだろうし、今さら自分は色々聴こうとは全然思わないんだろうけど、このアルバムだけは印象的で今日ふと聞きたくなった。声はもう、この人の声はどう考えてもこうなんで、嫌いな人はもうその時点で無理だと思うからその点に関しては触れない。まあ、自分はある意味魅力的な声だと全然思うのだが。


このアルバムは如何せん楽曲がすごい。このアルバムはホントに偶然で聴くことになったんだが、かなり充実した印象を受ける。①「Magic Theatre」は、いきなり11分にも及ぶ大作。繊細さと、ダイナミックさを兼ね備えた曲。②「イスラエル」は背後でのギターの絡みが半端ない。⑦「Subconcious Desire」はちょっとjazzyだし、⑧「Gum」はカントリー調であったり、ハードコア調の曲も多数。ジャンルも幅が広い。


といってもメロディーを引っ張るのはボーカルの声だから、やっぱりそれで好き嫌い決まっちゃうもんかな。不思議なポップさを出す意味では「Gum」なんかフィットしてていいと思うんだけれど、唄い方やバンドの特性を考えるとやっぱり受け入れ難いものなのかなあってのもわかる。でも、これは結構マニアックな楽曲が並んでると思うし、すごい意欲的に作られた面白い作品であることは間違いないと自分は思う。まさに魔法の映画。