曽我部恵一「瞬間と永遠」




曽我部恵一の2ndアルバム。やや陰気とも感じとるヒトも多々いたかもしれない、1stアルバム「曽我部恵一」から、明るい作品である印象を受ける。前回はアルバムとしての音の統一感・完成度が非常に高かったのに対して、ポップなメロディーセンスが発揮され、楽曲多彩になっている。その分、人によってはアルバムとしてまとまりを感じない人もいるかもしれない。でも、自分にとっては満足、てか好きな作品。


①「瞬間と永遠」は勢いあるフォークソング。②「White Tipi」はサニーデイの「Love Album」とは全然違った打ち込みによる試みが見られる曲で、刺激的。踊って踊ってくるいたくなるわ。③「もしも」はふわふわとした音にピアノ・曽我部の声が絶妙。④「Shie's A Rider」はイントロでpavement「summer babe」をなんとなく思い出しちゃった。エレキギターに曽我部の語りのような声、ああ名曲。⑤「New Love」、⑥「浜辺」は曽我部の声が、際立つブルース。⑦「Fire Engine」ジャキジャキギターにへなへな音。いい曲でアクセント的なんだが、少しアルバムとしては浮いている感が否めない。⑧「愛のかけら」前作にありそうな、優しい曲。⑨「道」声あ響くようになっていて脳天までしみこむバラード。


前作とは全然違う。ロックロック、サニーデイにある意味近づいた部分は大きいんじゃないかな。充実してて好きなアルバム。実はこのアルバムを聴いたのは、4th 1st 3rdに続いてなのだが、全然違うね。どれもこれも好きで、1st 3rdはカナリ、4thは普通に良い、って印象で2ndはその中間ぐらいかな。でもやっぱり、サニーデイのアルバムの方が好きな部分は多いんだよなあ。声が好きな部分があるので、当分離れることはないだろうけれど。ところで、古田がそうであったように、決して美形とは言えない顔がある種の雰囲気でかっこよく見えてしまってそれこそ人間的魅力の充実を示していると感じた。