syrup16g「coup d'Etat」




syrup16gのメジャー1stアルバム。ミスドのシロップが16gだったから。そんな甘い名前とは裏腹に、グランジを彷彿とさせるようにとっても暗くなる。「生きたいよ」「手首」「幽体離脱」「バリで死す」「空をなくす」「汚れたいだけ」・・・・ともう題名を見るからにして憂鬱な気分にさせてくれる。
それにしてもこのバンド、安定したベースラインに、フロントマンである五十嵐のギターの歪みを聞かせたかっこいい音(ライブでのギターの腕はいまいちだが)と作曲センス&心に強く訴えるネガティブな歌詞を叫ぶボーカル、力強いドラムが実に魅力的。一曲一曲がマジでかっこいいし、一貫したアルバム思想が何かたまらない。アップテンポで繰り広げられる④、⑦、⑧、⑫、心に響く⑤、⑩、⑪、⑬、他にもアルバムとしての完成度はとても高い。中でも⑩「ハピネス」はとても好きだ。切ないアコギにサビの


「ねえ、そんな苦痛をみんな耐えてるの?」


という歌詞にあわせたボーカルの裏声は自分の心に向かってひどく打ちつけられた釘ように突き刺さった感覚は絶対に忘れない。実は、ボーカルは地元の浦高出身とのうわさでそんなどうでもいいことでも、なんかどうでも良くなくて魅力に感じてしまうとこである。