ART-SCHOOL「Requiem for Innocence」




ART-SCHOOL最初のフルアルバム。Vo.木下理樹は決して歌がうまいとは言えない。声は喉声で、枯れている。ギターのリフなんかはすぐ聞き取れそうでそこまで高度なテクニックが披露されているわけでもない。しかし、聴いたときいつもかっこよく感じてしまう自分がいるのだ。このアルバムでのメロディーはまさに全力疾走、刹那のように駆け抜ける。そして疾走感とともに過ぎ去ってしまった過去の美しい景色や思い出が木下の叫びによって次々に描かれていく。
物事には始まりと終わりがあり、終わった後の悲しさというものが叫びとして歌われ、そして最後のM-12で、それでも人は、”無邪気に”感じてありのまま生きてしまうものなんだということが描かれていると思う。アルバムとしてすごいまとまりを感じる。大好きなCDの一つである。