成人式



この日は成人式、成人式。全くもって楽しいもんだね。いやー実際地元の友達なんて数人やら剣道部時代の友人やらしかそんなに会わないもんだから、実際どんなテンションかなんてそんなもん知ったもんでない。会場には、自分の慣れた生活にいない風貌をしたような人が山のようにいて、自分はもうそれを見ただけで地元を感じてそれだけで懐かしい気持ちに浸ってしまった。女の子はみんな決まってるなあ・・・・って思う、いつもこれぐらい決まってればいいのに、いや、でもそうしたら新鮮さがないのかな・・・・なんて馬鹿な妄想にふけりながら自分は会場を友達とうろついていた。


式典は式典で、終わったら少しは「成人」という自覚が芽生えるのかと思ってたらそんなことはなく、「酒やタバコ(もちろん自分は吸わないが)がやれるんだなあ、アダルトビデオ・・・・・は残念ながら18歳から借りれるしなあ」と全然実感のないものであった。みんなは元気そうだった、実に元気そうだった。自分にとってはただ不思議な故郷のような空間に入り、何かしら「コミュニティー」な意識に浸るだけで何かほっとしたものを得るのだった。中学校の頃には、みんな「中学生」だったのに、今は見た目からの個性もはっきりと分かれ始め、みんな「別の道を進む人」になったように感じる。そこで感じた少しの寂しさの中にも変わらないものが存在しているから、自分は雰囲気に浸ることができたのであろう。


実際、式のあとの学年全体の飲み会では何人いたのだろう。50人ぐらいだった気がするから1/4くらいだろうか。もう学年の人数なんか覚えてるわけがない。(と思ったら実際友人の話だと100人ぐらいいたらしい)あー実際しゃべった人、全然しゃべらなかった人、もう名前すらすっからかんのどっこいの人も大量にいた。女の子なんて、比較的「ノリの良い」元気なグループなコたちしか飲み会に来ないもんだから、もちろんメイクもそれなりに派手にしちまっててかなりわからなかった。自分がしゃべることも十分楽しく、十分満足だったのだが、もう誰かすらも覚えてない人たちを不思議なまなざしで見つめているだけで心は十分安らいだ。不思議なくらい安らいだ。そんな癒しな一日だった。学年全員を一目見れてたらもっと自分は安らいでただろう。あとこのうち何人と街中で会うのだろうかと思うと、時の流れを感じずにはいられなかった。


ある友人に「おまえはいい意味で変わってなくて良かった」と言われ、どう喜んでいいかさえもわかるもんでないが、純粋に嬉しかった。ただそれだけで自分は満足だった。