syrup 16g「Mouth To Mouse」




彼らにとっては五枚目のアルバム。デビューから、衝撃的な重く頭へとのしかかる歌詞を聞かせ、俺の頭を悩ませ続けていた彼らではあるが、今回のアルバムでは彼らの今までの方向(ネガティブな方向)とは違った方向へと明らかに方向転換している。「My song」、「Your eyes closed」では愛について歌っているし、「変態」なんかではサナギが蝶に成長するということについて歌われている。歌詞を見ればわかるとは思うが、明らかに対外的な方向へ進んでいるように俺は思うのだ。そしてもちろん、五十嵐の心の底に訴えかけるような声も健在だ。
お気に入りは、M-5,7,8,9,12,14、中でも「My song」がさらに好きである。ただ、残念なのは今回先行シングルとして収録された曲が多く、曲順にも音のまとまりがないことである。こう思われるのを予想しつつ、故意にこの曲順にしたのだろうが俺には納得できん。さらに楽曲はいいのだが、ライブでは五十嵐がギターで弾ききれてないメロディーが多々見られるのがとても気になるところだ。いずれにせよ、このバンドがこれからどんな作品を残すかは注目しておいて損はないだろう。