BECK「Mellow Gold」




BECKのデビューアルバム。これを聴かずして、BECKを少し聴いた気になってた自分が恥ずかしくなるくらい衝撃的だった。これこそが、彼の真髄だったのではないかね。


①「Loser」はやる気なさそうなギターと、シタール?の音でのリズミカルかつ、珍妙な展開は最高に爽快で気持ちいい曲だ。この一曲だけで、充分このアルバムの魅力に取り付かれてしまった。他にも、哀愁漂うブルースのような曲もあれば、⑤「Soul Suckin' Jerk」⑦「Sweet Sunshine」のように重厚ロック風サウンドも溢れ出す。(といっても⑪「Mutherfuker」の暴走したような感じに比べれば大したことないのだけれどw)ノイズみたいな音もあれば、気持ち悪い声を出したり、おならみたいな気持ち悪い音もあるわ、狂ってる。それでも⑧「Beercan」は楽しくて仕方なくなる曲だ。そしてアルバムの最後の最後まで、彼は遊び心満載で終わらせてしまった。こんなやりたい放題でかっこいいなんて、本当に卑怯!


音は、どっかしら初期の「pavement」みたいな安っぽさというか、いい意味でショボイ(というのは全然イマイチな表現だけれども)感じを与えるし、全然違うのだけれど何かしらの共通点を感じる。よく分からないけど、こういうのって感動とは違うのだけれど、単純にかっこいい。何より凄いのは、彼のアルバムを僕は結構聴くのだけれど、何枚聴いてもまた違った発見があって、音楽の幅が広いことなんじゃないかな。そんな中でも、もう二度と作れないような(他のアルバムが作れそうと言っては失礼だけれども)、唯一無二の不思議な魅力を持つのが、まさしくこのアルバムだと思う。

Fishmansについて




僕がFishmansについて語るのは、とても畏れ多く感じてしまう。その理由の一つに、仲の良い友人が大好きだったということもあるだろう。他にも、彼らのアルバムを全部聴いたというわけでもないし、彼らを知った時には、もう佐藤伸治はこの世にいなかったというのもあるだろう。しかし、それら以上に、語るのに抵抗を感じるくらい愛すべき存在であるからというのが大きいのかもしれない。実際、彼らを嫌いという人の話は僕自身耳にしたことはない・・・・。とにかく、こんな文字の羅列を読むくらいなら聴いた方がいいと思う。けれども僕は彼らを大好きになってしまったし、それを表現せずにはいられなくて、ついつい書いてしまった。


①「NEO YANKEES' HOLIDAY」
僕が一番最初に出会ったアルバムは3rdアルバム「NEO YANKEES' HOLIDAY」であった。友人が好きという話を聞いていて、地元の図書館に転がっているのを偶然見つけた、そんな出会いだった。このアルバムは本当にポッカポッカしてて、暖かくて気持ちいい。①「Running Man」②「いかれたbaby」③「Smilin'days, Summer Holiday」④「エブリデイ・エブリナイト」のウキウキピクニックナンバーの流れは楽しまずにはいられない。⑧「パラダイス」⑨「うまく歩けないよ」も大好きで、⑩「1、2、3、4」、⑪「Walkin'」も大好きで、結局このアルバムがとっても大好きだという、どうしようもない結論に至ってしまった!


②「long season」
次に聴いたのが6thアルバム。シングル「Season」を35分拡大して作られたようだ。「NEO YANKEES' HOLIDAY」からは想像もつかない世界であったので、本当におったまげたし、初めて聴いたときは鳥肌がぞくぞくと発ち、全身を震わせて仕方なかったのを覚えている。ゆらゆらと蠢き続ける夢の世界が広がっている。前半の包むように別の場所に旅立たせてくれる入りから、中盤の自然を髣髴とさせキラキラと輝く世界、そして再びそこでギター音が鳴り響いた時の感動、最後の「アー」て声とヴァイオリンやらキーボードでのシーン・・・・彼らは間違いなくこのアルバムで、奇跡を起こした。規格外の超実験的名盤とでも言おうか。


③「空中キャンプ」
その次は5thアルバムを聴いた。やはり3rdアルバム「NEO YANKEES' HOLIDAY」からはあまり想像できない。このアルバムから「long season」への流れは十分考えることが出来る。このアルバムを聴いてると、辛いことととか嫌なこととか、そういったものをどこかにやってしまえる、そんな気がしてしまう。それも、ただの誤魔化しではなくて、綺麗に消化してくれる気がするのだ。音といい、それが作り出す世界観といい、「NEO YANKEES' HOLIDAY」とは全く異なるものを、完璧なまでに作り上げてしまった。独特の浮遊感は、「空中キャンプ」という名にふさわしく、そして、⑤「ナイトクルージング」は本当に名曲であると思う。


④「宇宙 日本 世田谷」
さらには7thアルバムを聴いた。5th・6th・7thと正直、嫌いな所を見つけるほうが難しいし、本当に非の打ち所の無いアルバムだと思う。そして、このアルバムは「空中キャンプ」と「long season」のイイトコ取り、いや、非の打ち所が無いのにイイトコ取りと言うのはおかしい、かけ合せて昇華させたような作品だと思う。オリジナルアルバムでは、これがやっぱり一番好きだなあ。なんで一番好きなのかなあって考えると、僕自身が時に忘れてしまいそうになる「日常に対する感情」とか「人間らしさ」を思い出させてくれるからだと思う。このアルバムを聴いていると、「楽しくなる」とか、「気持ちいい」とか、そういうものを全て通り越して、目の前にある世界に、僕自身が今生きていることにただただ感動してしまう!!!文句なしの名盤。


⑤「ORANGE」
しばらくして聴いた4thアルバム。今、書くために画像を探していて初めて4thアルバムだと知った。恥ずかしいのだけれど、正直1stか2ndアルバムだと思ってた。④「My Life」、⑤「MELODY」、⑦「感謝(驚)」なんかはとても聴きやすいメロディーで結構癖になってしまう。⑨「夜の想い」なんかも綺麗。4thアルバムだと、本当に中途半端だなあって位置づけになってしまうのは如何せん仕方ないことではあるけれども、勝手に勘違いしてポップに楽しめた僕は、そういった意味では結構勝ち組であると思う。一時凄い勢いで聴いてた時期があった、不思議な中毒性を持つアルバムだと思うし、4thと知ってしまった今でも好きなアルバム。


⑥「男達の別れ」
彼らのライヴアルバム。とにかく、聴いて欲しい一枚。何故かテスト勉強中にすごい勢いで毎日聴いてた。僕は日本語の歌を聴いてると全然勉強進まないことが多いのだけれど、このアルバムだけは違った。集中力が上がるのは何故か本当にわからない。⑥「頼りない天使」、⑦「ひこうき」、⑧「In The Flight」の流れで何度泣いたことか。音楽はマジックを確かに呼んだし、そのマジックはずっと生き続けると思う。


彼らに出会えたことで、目の前の感動とか生きてることとか、当たり前の日常の認識が、何か変わった気がする。気のせいかもしれないけれど、彼らを聴いて、覚えた感動だけはあるって断言したい。とにかくviva Fishmans!ありがとう!!